
ロボット掃除機が部屋の間取りや現在地を把握し、効率よく掃除を進めるために欠かせないのが、ナビゲーション機能です。代表的な方式には、レーザーで周囲までの距離を測る「LiDAR」と、カメラの画像を手がかりにする「vSLAM」があります。
選ぶときは、それぞれの特徴を知ったうえで、普段の使い方に合っているかを確認しておきましょう。照明を消した部屋で使うなら暗い場所への対応を、床にケーブルやおもちゃが多いなら障害物を避ける機能をチェック。ベッドやソファの下まで掃除を任せたい場合は、本体の高さも大切なポイントになります。
この記事では、LiDARとvSLAMの仕組みや違いをわかりやすく解説しながら、暮らしに合うロボット掃除機を選ぶためのポイントをご紹介します。
LiDARとvSLAMは何が違う?
ロボット掃除機は、部屋の間取りや家具の配置を確かめ、自分の位置を把握しながら掃除を進めています。LiDARとvSLAMの主な違いは、周囲の様子を捉える方法にあります。LiDARはレーザーで測った距離を、vSLAMはカメラに写った画像を手がかりに、地図を作ったり、現在地を確認したりしています。
レーザーで部屋の間取りを把握する「LiDAR」
LiDAR(ライダー)は、「Light Detection and Ranging」の略で、レーザーの反射を利用して距離を測る技術です。ロボット掃除機は、壁や家具までの距離をもとに部屋の地図を作り、自分の位置を確かめながら掃除を進めます。
自ら発するレーザーを使うため、室内の明るさに左右されにくいのも特徴です。カーテンを閉めた部屋や照明を消した部屋でも周囲を把握でき、暗い時間帯の掃除にも使いやすい方式です。
カメラの画像から間取りや現在地を把握する「vSLAM」
vSLAM(Visual Simultaneous Localization and Mapping)は、カメラで捉えた周囲の様子をもとに、部屋の地図を作りながら本体の位置を把握する技術です。
ドアの枠や家具の輪郭などを目印に、移動に伴う見え方の変化を追っていきます。その変化から、どの方向へどれくらい動いたかを推定し、部屋の中での現在地を確かめます。
ここで押さえておきたいのが、床にある物を見分ける機能との違いです。vSLAMが地図作成や位置の把握を担うのに対し、ケーブルやスリッパなどの種類を識別するには、AIによる物体認識などの機能が使われます。製品を選ぶ際は、ナビゲーション方式とあわせて、障害物回避機能の内容も確認しておきましょう。
LiDARナビゲーションの仕組みと特徴
間取りを把握し、効率のよいルートで掃除
回転式LiDARを搭載したロボット掃除機は、レーザーで周囲を360度スキャンし、壁や家具までの距離を測ります。その情報から部屋の地図を作り、どこを、どの順番で掃除するかを決めていきます。
間取りや家具の配置に合わせて計画的に走行することで、同じ場所を繰り返し通る無駄を抑え、掃除の抜けを減らすことにつながります。
レーザーで距離を測る方式の一つが、DToF(Direct Time of Flight)です。レーザー光が対象物に当たり、反射して戻ってくるまでの時間から距離を割り出します。LiDARを搭載したモデルでも、採用する測定方式やセンサーの構成は機種によって異なります。
照明を消した部屋でも使いやすい
LiDARはレーザーで距離を測るため、室内の明るさに左右されにくいのが特徴です。カーテンを閉めた部屋や、夜間に照明を消した部屋でも、間取りや現在地を把握しながら掃除を進められます。
ただし、床のケーブルや小さなおもちゃの認識にカメラを使うモデルでは、暗くなると物を見分けにくくなる場合があります。暗い部屋で使うなら、LiDARの搭載に加え、カメラの認識を助ける補助ライトの有無や、暗所での障害物回避にも対応しているかを確認しましょう。
また、夜間は吸引音や走行音だけでなく、ステーションの自動ゴミ収集音にも気を配りたいところです。家族が眠る時間と重ならないよう、予約時間や、機種に応じた自動ゴミ収集の設定を調整しておくとよいでしょう。
昇降式センサーで、低い家具の下にも入りやすく
ソファやベッドの下を掃除したくても、本体上部のセンサーがつかえて入れないことがあります。こうした場所で役立つのが、センサーを上下に動かせるモデルです。
周囲をスキャンするときはセンサーを上げ、低い家具の下に入るときは本体に格納します。上部の出っ張りを抑えることで、ホコリがたまりやすい家具の下にも入りやすくなります。
選ぶ際は、通常時とセンサー格納時の高さを確認し、家具の下の隙間と比べておきましょう。入口を通れても、内側の補強材や床の段差に引っかかる場合があります。奥まで通れるか、余裕のある隙間が確保されているかも確認しておくと安心です。
小さな障害物への対応は、カメラやセンサーもチェック
一般的な2Dの回転式LiDARは、床から一定の高さで周囲をスキャンし、壁や家具の位置を把握します。そのため、床に落ちたケーブルや薄い物など、レーザーが当たる位置より低い物は見落としてしまうことがあります。
こうした足元の障害物を捉えるために、AIカメラや3D構造光センサーなどを併用したモデルもあります。製品を選ぶ際は、LiDARの搭載に加え、床の小さな物を検知する仕組みや、どのような物を避けられるかも確認しておきましょう。
vSLAMナビゲーションの仕組みと特徴
カメラに映る目印から、現在地を確かめる
vSLAMは、ドアの枠や家具の角など、カメラに映る特徴的な部分を目印として利用します。移動に伴って目印の見え方がどう変わるかを追い、本体が進んだ方向や距離を推定。部屋の地図を作りながら、その中のどこにいるのかを把握していきます。
カメラの種類や画像処理の仕組みによっては、奥行きの情報も活用します。また、カメラの向きや、ほかのセンサーとの組み合わせによっても、捉えられる範囲や得られる情報は変わります。
暗い部屋では、照明が必要になることも
vSLAMは、カメラに映る周囲の目印を頼りに現在地を把握します。そのため、照明を消した部屋や、目印となる特徴が少ない場所では、位置をうまく把握できないことがあります。
補助ライトやほかのセンサーで暗い場所での動作を補うモデルもありますが、対応できる範囲は機種によって異なります。夜間に照明を消して使いたい場合は、どの程度の明るさが必要か、暗い場所でも使用できるかを、製品の仕様や取扱説明書で確認しておきましょう。
床の物を見分ける「AI物体認識」にも注目
床にケーブルやおもちゃが置かれやすいご家庭では、AIによる物体認識機能も選ぶポイントになります。カメラの画像から物の種類を見分け、避けながら走行することで、コードの巻き込みやおもちゃへの乗り上げを減らすのに役立ちます。
この機能は、地図作成や現在地の把握を担うvSLAMとは役割が異なります。製品を選ぶときは、カメラの有無やvSLAMへの対応に加え、どのような物を認識し、回避できるかも確認しておきましょう。
ただし、物の大きさや形、色、部屋の明るさによっては、うまく認識できない場合もあります。細いコードや小さな物は、掃除を始める前に片づけておくと安心です。
LiDARとvSLAMの特徴を比較
LiDARとvSLAMにはそれぞれ特徴があり、使う場所や時間帯によって選ぶポイントも変わります。ご自宅での使い方を思い浮かべながら、部屋の捉え方や暗い場所での使いやすさなど、主な違いを見比べてみましょう。
| 比較ポイント | LiDAR(レーザー式) | vSLAM(カメラ式) |
| 周囲の捉え方 | レーザーで壁や家具までの距離を測る | カメラ画像から、位置の目印になる特徴を捉える |
| 地図作成と現在地の把握 | 測定した距離をもとに地図を作り、現在地を把握する | 画像の中の目印を追いながら、地図作成と現在地の把握を行う |
| 暗い部屋での使用 | 室内の明るさに左右されにくい | 周囲の目印を捉えられる明るさが必要。暗所への対応は、補助ライトなどの機能によって異なる |
| ケーブルなどの小さな障害物 | スキャンする高さより低い物は捉えにくく、ほかのセンサーで補う場合がある | 物の種類を見分けたり避けたりするには、AI物体認識などの機能も確認が必要 |
| 家具の下への入りやすさ | 本体の高さに加え、上部センサーの高さや昇降機能を確認 | 本体の高さや、カメラ・センサーの配置を確認 |
※表は一般的な特徴をまとめたものです。実際の走行性能は、センサーの構成、制御ソフトウェア、使用環境などによって異なります。
LiDARとカメラを併用するモデルでは、レーザーによる地図作成・位置の把握に、カメラなどによる障害物認識を組み合わせています。こうした役割分担にも目を向けると、製品ごとの違いがわかりやすくなります。
暮らしに合うナビゲーションの選び方
夜間や薄暗い部屋で使うなら
照明を消したあとや、日中でも光が入りにくい部屋で使うなら、明るさに左右されにくいLiDAR搭載モデルに注目してみましょう。
カメラで床のケーブルやおもちゃを見分ける機種では、暗い場所での障害物認識も確認したいポイントです。LEDライトなど、カメラの認識を助ける機能が備わっているかもチェックしておきましょう。
おもちゃやペット用品を避けて掃除したいなら
床に物が置かれやすいご家庭では、AIによる物体認識や、小さな障害物を捉えるセンサーにも注目してみましょう。ケーブルやスリッパ、ペット用おもちゃなど、普段よく床にある物を認識できるかどうかも、機種選びのポイントです。
ただし、ペットの排せつ物やこぼれた水などは、回避機能があっても、掃除を始める前に取り除いておきましょう。
ベッドやソファの下まで掃除を任せたいなら
購入前に測っておきたいのが、床から家具の底面までの高さです。本体の高さと見比べ、センサーが昇降するモデルでは、格納した状態の高さも確認しておきましょう。
入口を通れても、内側の補強材や床の凹凸に引っかかることがあります。家具の奥に低くなっている部分がないかも確かめ、余裕を持って通れるサイズのモデルを選ぶことが大切です。
ナビゲーションと障害物回避で選ぶDreameのロボット掃除機
ここからは、レーザーで間取りや現在地を把握し、カメラやセンサーで床の物を避けながら掃除するDreameのモデルをご紹介します。
X50 Ultra|ソファやベッドの下まで掃除を任せたい方に
X50 Ultraは、センサーを上下に動かせる「VersaLiftナビゲーション」を搭載しています。センサーを格納した状態の本体高さは約8.9cm※1。ソファやベッドの下など、ホコリがたまりやすい場所にも入りやすい設計です。
AIカメラと3D構造光を組み合わせた障害物回避機能も備え、200種類の物体を認識します※2。部屋の間取りを把握し、床にある物を避けながら、効率よく掃除を進めます。
※1 センサー格納時の本体高さです。同じ高さの隙間を通過できることを保証するものではありません。家具の底面や縁に突起がなく、十分な隙間があることをご確認ください。
※2 物体認識数は当社試験に基づきます。実際の認識・回避性能は、使用環境によって異なります。
Aqua10 Ultra Roller|暗い場所での障害物回避も重視したい方に
Aqua10 Ultra Rollerは、間取りや現在地を把握する「VersaLift LDS」を搭載しています。障害物回避には2基のAIカメラと3D構造光を活用し、240種類以上の物体を識別します※。暗い場所ではLEDライトが周囲を照らし、カメラで物を捉えやすくします。
ローラーモップによる水拭きにも対応しているため、毎日の吸引掃除と拭き掃除を一台に任せたい方にも向いています。
※物体認識数は当社試験に基づきます。物の種類や状態、周囲の明るさなどによっては、認識・回避できない場合があります。
使う場所や時間帯に合わせて、わが家に合う一台を
レーザーで距離を測るLiDARと、カメラの画像を手がかりにするvSLAMは、どちらも部屋の地図作りや現在地の把握を支える技術です。それぞれの特徴を知ったうえで、普段どこで、どの時間帯に使うかを考えてみましょう。
暗い部屋でも使いやすいか、床の物を避けられるか、家具の下まで入れるかなど、ご自宅の環境に合わせて確認することが大切です。吸引や水拭きの性能に加え、掃除後のお手入れをステーションにどこまで任せられるかも見比べながら、毎日の掃除に役立つ一台を見つけてください。
LiDAR・vSLAMについてよくある質問
vSLAMはLiDARより優れていますか?
一概にはいえません。LiDARはレーザーによる距離情報を使い、照明の明るさに左右されにくいのが特徴です。vSLAMはカメラ画像の特徴を使って、地図作成と位置の推定を行います。使う場所や時間帯、併用するセンサーによっても性能が変わるため、ナビゲーション方式と障害物回避機能の両方を確認しましょう。
SLAMとvSLAMは何が違いますか?
SLAMは、移動しながら地図を作り、その地図上で自分の位置も推定する技術の総称です。そのうち、カメラの画像を主な情報源として使うものがvSLAMです。LiDARの距離情報を利用するSLAMもあります。
LiDAR搭載のロボット掃除機は、暗い部屋でも使えますか?
LiDARによる距離測定は、照明を消した部屋でも行えます。ただし、カメラを使った障害物認識などは明るさの影響を受ける場合があります。暗い場所での対応範囲は、製品の仕様や取扱説明書で確認してください。
ペットのいる家庭では、どんな機能を重視するとよいですか?
間取りを把握するナビゲーションに加え、ペット用おもちゃやフードボウルなどを認識する障害物回避機能に注目するとよいでしょう。抜け毛が多い場合は、ブラシの毛絡み対策やお手入れのしやすさも選ぶポイントになります。
また、毛やホコリはセンサーにも付着します。検知を妨げないよう、取扱説明書に沿って定期的にお手入れしてください。
Dreameのロボット掃除機は、LiDARとvSLAMのどちらを使っていますか?
Dreameには、レーザーによるナビゲーションに、AIカメラや3D構造光などによる障害物回避を組み合わせたモデルがあります。センサーの構成や制御方式は機種ごとに異なります。
AIカメラを搭載しているだけで、vSLAMを採用しているとは限りません。各モデルの「ナビゲーション」と「障害物回避」の仕様を、それぞれ確認してください。




























